2026.09.25
高校を辞めたいと相談されたら|保護者の対応と学びを続ける選択肢

【この記事でわかること】
- 高校を辞めたいと相談されたときの声かけ
- 理由を話しにくいお子さまへの接し方
- 学校や相談窓口に伝えておきたい内容
- 休学・転入学・編入学の違いと退学前の確認事項
- お子さまが学びを続けられる環境の選び方
「高校を辞めたいと言われたけれど、どう答えればいいのだろう」
お子さまから突然相談され、卒業や将来のこと、これまでの学費などが頭をよぎり、戸惑う保護者の方もいらっしゃるでしょう。引き止めたい気持ちと、本人のつらさを受け止めたい気持ちの間で迷うのも自然なことです。
最初の話し合いで、すぐに辞めるか続けるかを決める必要はありません。まずは今の負担やつらい気持ちに耳を傾け、学校とも相談しながら、休学や転入学も含めて考えていきましょう。今の学校で通い方を調整する道もあれば、環境を変えて別の場所で学ぶ道もあります。
高校を辞めたいと相談されたとき、保護者が最初にできること
まず確かめたいのは、お子さまが今、どのようなことに困っているかです。退学を認めるかどうかの結論に入る前に、安心して話せる時間をつくりましょう。
最初の返答は「話してくれてありがとう」
声をかける際は、まずはお子さまが勇気を出して打ち明けてくれたことを肯定し、「話してくれてありがとう」「今、どんなことが一番つらい?」と穏やかな短い言葉で受け止めてみてください。
気持ちを聞くことと、その場で退学を決めることは別です。「今日すべて決めなくていいから、まず話を聞かせてほしいな」と伝えると、お子さまも話しやすくなり、保護者の方も結論を急がずに向き合えます。
「せっかく入学したのに」と言いたくなるお気持ちもあるかもしれません。その気持ちはいったん心にとどめ、まずは最後まで話を聞いてから、気になったことを一つずつ穏やかに尋ねてみましょう。すでに強い言葉で引き止めてしまった場合も、「驚いて、先に自分の心配を言ってしまったね」と伝えれば、改めて落ち着いて話を聞く時間をつくれます。
休養と進路、それぞれを考える時間
明日の登校すら本当につらい状態なら、まずは無理に通わせず、学校への連絡や一時的な休み方を相談しましょう。高校卒業までの計画は、お子さまの体調や気持ちが落ち着いてから、段階を分けて話しても遅くはありません。
文部科学省の通知でも、不登校の支援においては本人や保護者の意思を尊重し、社会的な自立を目指す姿勢が示されています。休養が必要な時期がある一方で、適切な時期に学習や進路の支援につなげることの両方に触れられています。ご家庭でも、まずは休む時間をしっかり確保しながら、学校との相談を少しずつ進めていくと安心です。
参考:文部科学省「令和6年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果及びこれを踏まえた対応の充実について(通知)」
辞めたい理由を聞くときに保護者が気をつけたいこと
理由を聞くときは、「なぜ辞めたいのか」と原因を問い詰めるよりも、日々のどんな負担を減らせば気持ちが楽になるかを一緒に探る姿勢が大切です。専門家や学校の先生にアドバイスを仰ぎながら、お子さまの言葉に耳を傾けていきましょう。
原因を一つに決めつけない
人間関係、授業の進み方、通学時間、教室での過ごしにくさなど、確認したいことはいくつもあります。ただし、保護者の方が考えた原因が、そのまま本人の困りごととは限りません。
「友人関係が原因だろう」と結論づけてしまうより、「教室にいるときと、授業を受けているときでは、どちらがつらい?」など、具体的な場面を分けて尋ねてみましょう。「学校を離れて休みたい」のか、「別の学校なら学びたい」のかも、話せる範囲で聞いてみてください。
すべてに答えてもらう必要はありません。「うまく説明できない」という返事もそのまま受け止め、気持ちを整理する時間をゆっくり取ってあげましょう。
話すことが負担なときのメモやメッセージ
向かい合って話すことが負担なら、メッセージやメモを使う方法もあります。「困っていることを一つだけ書いてもいいよ」と、本人が伝えやすい方法を選べるようにしてみてください。
その際は、「今してほしいこと」と「まだしてほしくないこと」も聞いておくと、その後の対応を相談しやすくなります。たとえば、「学校への連絡はしてほしいけれど、クラスの友だちには理由を言わないでほしい」といった希望も考えられます。
話し合いが長くなってきたら、無理をせず続きは別の時間にしましょう。登校前の慌ただしい時間は避け、本人が落ち着いて話せそうなタイミングを選ぶのがおすすめです。
費用や将来の心配を伝えるときの言葉
学費や進路の心配も、保護者の方にとっては見過ごせない問題です。ただ、お子さまを責める言葉として伝えてしまうと、本人は罪悪感を抱き、困りごとを打ち明けにくくなってしまいます。
「せっかく学費を払ったのに」と口にしてしまいそうになるときもあるでしょう。そんなときは、「もし転校した場合、費用がどのくらいかかるか一緒に調べよう」「卒業までに必要なことを先生に相談してみよう」と、一緒に解決していく課題として共有してみてください。
お子さまに次の進路の答えをすべて用意してもらう必要はありません。保護者の方が費用や制度を調べ、本人は希望する学び方を考えるなど、準備を分担して進める方法もあります。
保護者だけで抱えず、学校と相談するための準備
家庭で聞いた内容を学校へ伝えるときは、「本人が話した言葉」と「保護者の方の見立て」を分けて整理しておきましょう。相談する目的も「退学の手続きを進めること」だけに絞らず、今の学校で無理なく続けられる方法や配慮がないかも含めて、先生方にアドバイスを求めてみてください。
学校に伝える内容とお子さまの希望
面談前に、次のような内容を短くメモしておくと落ち着いて相談できます。
- いつごろから、どんな場面が負担になっているか
- お子さま自身が学校に相談したいこと
- 本人が安心して話せる先生や、面談への参加の希望
- 周囲の生徒に伝えてほしくないこと
- 欠席日数、課題、単位の取得見込みについて確認したいこと
いじめなど心身の安全に関わる事情があるときは、学校の担当者と速やかに共有し、安全を最優先にした対応を相談してください。お子さまに対しても、誰に何を伝える必要があるのかを事前に説明して了解を得ておきましょう。
面談の最後には、学校側と保護者の双方が「次に誰が何を確認し、いつ連絡を取り合うか」を決めておきます。仮に「様子を見る」となった場合も、相談を再開する目安の時期を決めておくと、ご家庭だけで不安を抱えずに済みます。
担任以外の先生や学校外の相談窓口
担任の先生に話しづらいときは、学年主任や養護教諭、スクールカウンセラーへの相談も検討できます。校内で誰に相談すればよいかわからなければ、教務や事務の窓口に尋ねてみてください。
文部科学省のウェブサイトでは、各教育委員会が案内する地域の相談窓口がまとめられています。学校外で相談したい場合の窓口として活用できますが、高校生や保護者の相談に対応しているかは、各窓口で確かめておきましょう。
学校を変えて学び直す選択肢については、当校の個別相談でもお話を伺っています。
退学前に知っておきたい休学・転入学・編入学
別の高校で学ぶことも視野に入れている場合でも、慌てて退学届を出すのは避けましょう。在籍している(籍がある)か、すでに退学しているかによって、次の学校への入学手続きや単位の引き継ぎが大きく変わるためです。
今の学校で受けられる支援と休学の選択肢
まずは、今の学校で登校方法や学習の進め方を調整できるか確認します。別室登校の利用や課題の出し方など、本人の負担に合う配慮が可能かを具体的に尋ねてみましょう。
全日制や定時制高校で不登校の状態にある生徒については、学校長の判断により、一定の範囲で遠隔授業や通信教育による単位認定を行える制度もあります。すべての学校で同じ対応を受けられるわけではないため、利用できる条件は在籍校へ確認してください。
心身を休めるためにまとまった時間が必要な場合には、学校に在籍したまま一定期間休む「休学」も検討できます。認められる理由や期間、復学の手続き、休学中の学費の扱いまで確かめてから判断しましょう。
転入学・編入学の違いと単位の扱い
在籍中の高校から別の高校へ籍を移す場合は「転入学(転校)」、退学後に高校へ入り直す場合は「編入学」として検討します。受け入れの時期や出願条件は学校によって異なるため、希望する学校へ早めの確認が必要です。
これまでに修得した単位が、次の学校で何単位卒業に認められるかも確かめておきましょう。文部科学省の通知に基づき、前の学校で修得した単位を受け入れ先の校長が卒業に必要な単位として認定できますが、すべての単位が自動的に引き継がれるとは限りません。科目ごとの扱いについて、転入先候補の相談窓口へ詳しく聞いてアドバイスをもらうことが大切です。
参考:文部科学省「高等学校及び特別支援学校高等部の指導要録に記載する事項等」
卒業時期も、修得済みの単位数や通算の在学期間、転入学の時期などによって変わります。「今の学年のまま移れるか」だけでなく、「卒業までにあと何を履修する必要があるか」を尋ねておきましょう。
高校の課程・関連する施設ごとの学び方
学ぶ場所を探すときは、授業の時間帯や学習方法も比較してみましょう。
| 高校の課程・関連する施設 | 学び方の特徴 | 確認したいこと |
|---|---|---|
| 全日制高校 | 平日昼間の通学を中心とする一般的な形態 | 通学時間、教室での配慮、転入学の条件 |
| 定時制高校 | 昼間・夜間など、学校が定める時間帯で学ぶ形態 | 授業時間帯、卒業までの年数や予定 |
| 通信制高校 | レポート、スクーリング、試験などを通じて学ぶ形態 | 登校日程、課題の量、質問できる体制 |
| 技能連携校・サポート校など | 高校と連携した教育や、通信制高校の学習支援を行う施設 | 連携する高校、卒業資格の仕組み、支援費用 |
技能連携校やサポート校は高校そのものと異なり、通信制高校と提携して学習や生活面をサポートする民間の教育施設です。どの通信制高校に籍を置き、どこでどのような授業を受けるのか、卒業資格を得る仕組みや支援費用を確認しておきましょう。また、通信制高校でもスクーリング(登校)や試験などの卒業要件があります。通学の負担が軽いという一面だけで判断せず、お子さまが無理なく学習を続けられる環境かどうか、専門の窓口に相談しながら見極めていくことが大切です。
お子さまが続けられる環境を一緒に探すために
次の学校を選ぶときは、今の困りごとに対してどのような支援があるかを確かめましょう。学校説明会や見学を活用し、本人が気になったことを直接質問できる時間をつくってみてください。
学校見学で聞きたい、困った日の対応
授業内容に加えて、「朝から登校するのが難しい日はどのように対応してくれるか」「課題が進まないときに誰へ相談できるか」といった質問をしておくと、困ったときのサポート体制がよくわかります。
費用については、入学時の納付金だけでなく、卒業までに必要な見込み総額を尋ねましょう。単位認定や卒業時期についても、本人の修得単位や状況を伝えて確かめておくと、入学後の見通しを立てやすくなります。
見学を終えた直後にすぐ進路の決断を迫るよりも、「気になった授業はあった?」「通うとしたら心配なことはある?」と優しく問いかけてみてください。本人の感想やペースを大切にしながら、次の相談につなげましょう。
興学社高等学院が大切にしていること
興学社高等学院 新松戸校では、できないことを叱責する指導と異なり、一人ひとりの「得意なことを伸ばす教育」を何よりも大切にしています。180種類以上の選択授業を設け、プログラミングやイラストなど、興味のある分野から楽しく学べます。担任・副担任のダブルサポート体制を整えており、高校卒業資格取得率は98.9%(令和6年度)です。
当校の詳しい取り組みについては、学校の特徴もご覧ください。どのような授業や支援がお子さまに合いそうか、一緒に考える材料にしていただけます。
「高校を辞めたい」とお子さまから相談されたら、まずは本人の負担やつらさにじっくり耳を傾けるところから始めましょう。休み方や学び方を検討する際には、ご家庭だけで結論を出そうと悩まず、学校や専門の相談窓口にアドバイスを求めてみてください。当校での学びやサポート体制について気になることがあれば、どうぞお気軽にお問い合わせいただき、アドバイスをお求めください。




